俺の人生は幸せだった。めるるに会うまでは。

以前行っためるるのファンミーティングで、めるるから直接「ありがとう！」とチェキを手渡された瞬間、俺の中の何かが壊れた。

今思うと、それこそがパンドラの箱だったんだろう。

俺の人生は幸せだった。20代で夢を叶え、趣味の絵画では個展も開き、その後は体調を考え派遣社員の人生でいいかと思ったが、ありがたいことに生命保険の子会社の社員にまでしてもらった。こんなに嬉しいことはない。こんなに幸せなことはない。

しかし、俺には恋愛というよくわからないものが、パンドラの箱に入っていた。

それをぶち壊したのが、めるるでした。

めるるに恋をしたというのではない。推しだから。そうではなくて、恋に恋焦がれるのである。

恋に恋焦がれ恋に泣く、のである。