27歳からのグラフィックデザイナー
約4ヶ月の転職活動を経て、東京のデザイン系の会社で働くことになりました。最初面談の予定でしたが、その際に履歴書を提出、その場が1次面接という形となり、次の面接では社長から直接「採用したい」というお言葉をいただきました。
あっけにとられて、今までの転職活動は一体・・・と考えるのも今となってのことで、あの時は飛び上がるほど嬉しかった・・・。
誕生日の日に会社を辞めました。
12月に退社し、ボーナスも無し、ぎりぎり3年に足らないということで退職金も出ず(試用期間中は社員ではありません)、かなりしくじった感がある中転職活動を始めました。
ハローワークには1月上旬に行きました。そのときは無職の人たちの集まりで、なんというか年の初め、だけどももう仕事始めのあの三が日が元に戻る感じの雰囲気をハローワークにも感じ取れました。特に私たちは無職だから。でもたくさんいるからちょっとホッとしました。
自由と寂しさの無職
年末に辞めて年が明けた頃には無職の自由もだいぶ良いと思うようになっていました。朝早く起きて、朝ドラを見た後か、前か、近所のいつものルートを散歩。誰もいない真冬の朝。いつも缶コーヒーを買う自販機は、住宅街のはずれにあって、レンタルコンテナを置いてるような殺風景の場所にありました。最近の自販機は話をしてくれて、私の朝の挨拶は自販機。さみしいけれど、これが無職というものだと感じました。アパートを通り過ぎていく会社員たち、笑いながら歩く高校生の群れ、いつも混んでる県道。それらも過ぎ去ると平穏の午前がやってくる。平日の風景はこんなに平和なんだ。
振り返れば小さな職場で納期に間に合わないとか、そんなことで毎日急かされる日々。一方この平日の平穏こそ、真の平和なんだろう、と私は無職の自由を満喫していました。そして夕方になり、また彼らが家路につくようになると、急に寂しい気分になる。また県道は混んできた。高校生たちは笑いながら群れている。会社員たちはもくもくと家路につく。ああ、この流れから降りてしまったんだな、と。
ようやく出来たポートフォリオ
そんな自由と寂しさの中、出来上がったのが、「Illumination 桜」でした。
私のポートフォリオは、すべて自主制作です。だから経験者のみの採用では正直難しい、けれど熱意は伝えたかったんです。
表紙は桜とエウロピ。エウロピはIllustratorで、桜はPhotoshopで描きました。こんな表紙で大丈夫なのかと思いながらも、「自分らしさ」を出したいと、ロックンロールなところもあってエウロピを載せてみました。1月から作り始めて、出来上がったのが3月上旬。自由を謳歌しつつも相当焦りがありました。
三月の乱 序盤敗北が続く
最初は履歴書の一次審査があるようなところばかり応募し、全滅。一度履歴書が通り面接に飯田橋まで行ったときは、このポートフォリオ意味わかんないのよね〜と言われて撃沈。3ヶ月の成果がこれだと、私の転職もついに失敗か・・・。結果的に1次審査の応募はその飯田橋の1件でした。この件で私は飯田橋が苦手になりました。
三月の乱 後半戦
インターネットの転職サイトも利用していて、振り返ればそちらの方が未経験に近くてもお互いに話をする時間を優先している感じがしました。
飯田橋の翌日に新宿の会社と、もうひとつ内定を頂いた会社を受けました。このときは一変して、かなり好意的でした。同じデザイン系の会社でもいろいろな会社があるんだな、と感じました。あきらめないことの大切さ、みたいなものがちょっとわかったような気がしました。あの時、飯田橋の帰りにすべてポートフォリオを捨ててしまっていたら、私は一生デザイナーにはなれなかったんだと、思います。
最終的に3社から内定をいただきました。デザイン事務所といってもマンションの一室のようなところもあるし、ちょっと地味なところもあるし、どこを選ぶかは焦らずゆっくり決めたほうがいいと思います。
またしてもエウロピに助けられたような気がしました。