派遣で働き、ようやくお金を得る。涙
何ヶ月かぶりにようやくお金を得ることになった。今までの無職(療養生活)も終わり、実際に働いてみると手に職を持つということがどれだけ良かったことか実感したりする。
DTPオペレーターというのはニッチな職業で、それ以上に同じ業界でもCTPオペレーターといった印刷の版を出すオペレーターもいる。そんなDTPの世界でも嬉しいのは校正さんがいたりすることだ。おかげでこっちは最速で作業して、それを後は校正してもらえる。自分で作業したものを校正するのは当然と言われるが、実際やってみるとなかなか難しい。自分の作業を間違っていると思いながら作業する人は少ないし、そもそもそういう人はデザインとかの作業をやったりはしないだろう。文字の修正でも「修正しているのだから」それが誤っていることはないと思いがちだが、意外と間違っている。だから自分だかでやってるような制作会社は残念ながらミスを防ぐことはできない。よっぽど目のいい営業さんが見ていてくれるなら別だが。
そんな作業を一ヶ月やってようやくお金を得た。
最もやばかったのは預金残高500円という時であり、30年生きていて最もお金がなかったかもしれない。どう生計を立てていたのかといえば、クレジットである。
クレジットで飯を買うという生活を一ヶ月も続けてきた。来月分の請求に回せるのでなんとかしのいだ。
なんでこんなにお金がないんだと思ったが、タイミングも悪かったように思える。預金もほぼ8月でそこをつくのに就業が9月。そして給料が出るのが一ヶ月後の10月。どう考えてもお金がないのは明らか。私もそれをわかった上で、そしてカードローンなどで返済も始まる中で、ようやく得たお金。このお金は高い。たとえ額面いくらいくらでも、私には額面以上の価値に感じるのだ。お金である以上額面以上の価値はないのだが。
DTPという仕事
DTPとはデスクトップパブリッシングとか、デスクトッププレプリントとか言われている。デザイナーが作った版下(データ)をもらって、その後の修正などをする仕事だ。それだけじゃなくデザイナーの融合も進んでいて、私の仕事にもデザインの仕事があったりする。
レイアウトの仕事とか、文字組の仕事とかは昔からDTPと言われたりするが、れっきとしたデザインの仕事である。なぜかヴィジュアルを作るのがデザイナーというイメージもあったりするが、単純な修正作業とは違って、文字をあれこれ見せていくのはデザインの仕事となる。そういうのはデザイン事務所に頼むより自社でやってしまった方がコストが安い。だから印刷会社でもそういったヴィジュアル以外のデザインなどをやってる会社は多い。
そうなってくるとDTPという仕事はどんどんデザイナーになっていくのかと、思われるかもしれないが、がっつりDTPをやっている会社も多々あるという。私も派遣の面接(本来派遣は面接をやってはいけないルールなので、顔合わせという、なんとも日本的な言い回しだ)をやる中で、がっつりDTPをやる会社を見たことがあった。
そこは週間なんとかや月間なんとかといった雑誌類をやっている会社なのだが、デザインは他の会社にやらせて、そのあとの版下作成(DTP)をメインでやっている。詳しくは知らないが、ページによっては前回ものから写真と文言差し替えといったような仕事も多々あるという。そういうのは写真とコピーをもらってそれを作っていく。文字通り版下作成ということになる。そういう仕事を黙々とやるといった仕事が本来のDTPであるが、なんとも仕事の充実感がないのかもしれないと思ったりもした。もう少しディレクターにああだこうだ言われながらもデザインを頑張って作ってく、ある程度好きに作っていいよみたいなレイアウトを楽しむみたいなデザインがあってもいいなと思ったが、特にinDesignが不慣れという理由で不採用となった。昔からあまりinDesignは得意ではないのだ。
DTPもニッチだが、CTPもニッチである
DTPではなく、CTPという仕事もある。
コンピュータートゥープレートという意味で、今までコンピューターで作ってきた版下をとうとう版に出す仕事である。
この仕事もなかなかニッチだなあと思う。IllustratorなどAdobe系のツールは最近のパソコン教室でも教えているかもしれないが、EQUIOSなどのソフトを使うという時点で、結構ニッチだと思う。EQUIOSは自動面付けとかをやってくれるツールだし、例えばシアン版の濃度を下げて欲しいといった印刷所からの要望で、そういった版を出力することができる(確かキャリブレーションカーブを下げるとかいう)。またスミは全てオーバープリント(乗せ)にするという設定をしておけば、版下(DTP)で全てオーバープリントの設定にする必要はない、全てEQUIOS上でやってくれる。他にもいろんなことができるが、ニッチなので私はそこまで知らない。
悲しいことにCTPはデジタルからアナログの橋渡しをする仕事なので、ミスというかトラブルが非常に多い。例えばIllustratorの効果が化けて出力されたり、画面では出ていない細い一本線が版に出力されてしまったりする。これがなぜかがわからないし、なぜだと営業から言われたり、印刷所から言われたりするからかわいそうである。
そうしたニッチな職業であるが、印刷現場を支えているのである。