2021年7月20日でウェブサイト10周年。
10年前といえば東日本大震災があった年だ。
私は普通に大学を卒業したが、就活はしなかった。
自分探しというか働くことが好きになれそうになかったからだ。
だからせめて好きなことをしようと思い、デザインの世界に飛び込んだ。
このウェブサイトはデザインの練習(webデザイン)として作ったものだった。
最初の会社はこのウェブサイトを見てもらって、ポートフォリオとして役に立ってようだった。
この10年でウェブも大きな進歩を遂げたといっていいだろう。というか完全にDTP(デスクトップパブリッシング:いわゆる印刷物のデザイナー)とWebは袂を分かった。私は早いものでJQueryが出てきたあたりからウェブデザインの難解さを感じ、現在もJQueryを使っているがとてもスライドショーなどは実装できないでいる。本当に何のインタラクティブもないウェブサイトを10年もやっているわけだ。もはやウェブデザインの勉強ではない。
しかし面白いことに、JQueryを使わずともCSSで色々できる時代になり、むしろCSSを勉強するようになった。例えばflexboxなどである。
ありがたいことにウェブデザインには単に見た目(グラフィック)だけでなく、使いやすさや文章のアウトラインなども重要視される時代になった。知り合いのホームページについていくらかアドバイスさせていただき、結果そのウェブサイトを全面作り替えるという仕事をいただき、現在もたまに修正作業をしている。
自分の話をすれば、ずいぶん濃密な10年だったように思える
嫌な話だが、膀胱に腫瘍ができたり、デザイナーあるあるのうつ病になったり、うつ病の治療中に絵の個展をやったりと、徐々にデザイナーという存在から離れつつある。その都度このウェブサイトの立ち位置も変わってきたわけだ。あるときは膀胱がんの記事を書いて、最終的にテレビ局から話が来たり(結局主治医に止められて出演は無しになった)、うつ病になりほとんどウェブサイトなど手付かずになったり、絵の個展をやってからはこのウェブサイトが絵のギャラリーを併設するようになったり・・・。
現在は絵の販売を始めようとネットショップとの接続を計画しているところである。このウェブサイトにはまだまだやってもらうことがありそうだ。
europaについては何度も休筆したのだが
europa(この日記のことだ)は何度も休筆宣言をした。そうして去年とうとうeuropaを辞める宣言をした。それは単純にアクセスがほぼゼロに落ち込んだからである。それにいわゆるブログに書くことがないというありきたりな問題に直面したからである。つまり私はアクセス稼ぎをまだ諦めていなかったということだ。自分の話をすればいくらでも話す内容が出てくる、されどそれはほとんどアクセスが得られないことを知っている。だからいっそのことやめてしまおうと考えたのである。
だがエウロピ(私が描いている創作キャラクターのことだ)は元々このブログの挿絵として登場した経緯があり、それを終了するというのはエウロピが宙に浮いた状態になってしまう、なんというか拠点がなくなってしまうような気がしたので、どうしようか悩んでいたのだ。
元も子もない話だが、私はあまり人のブログを読まない。
だが現在ほとんど個人のブログもなくなり、Twitterも以前のような活況がなくなり(今は読解力のないよく分からない人たちに世代交代した)、facebookもとうに辞め、YouTubeも1年くらい挑戦したが全く花が咲かなかった。ありがたいことにエウロピのインスタグラムはそこそこ意味があったようなので紹介させて欲しい。
つまり私に残ったのは最終的にエウロピとこのウェブサイトだった・・・ということだろう。私はSNSが不得意だったというのをほとんど10年近く行った末に気がついたということだ。
ウェブサイトという一次情報
最近コンテンポラリーアーティストのライティングスキルというような本を読んで、改めてライティングの重要性を認識した。というより私にはライティングについての知識がほぼゼロだった。そして一応作家活動をする上での一次情報の提供として、このウェブサイトを活用していこうと思ったのである。ついに10年たってこのウェブサイトが”超”重要ということに気がついたのだ。
私は10年前からそれを認識していたのだろうか?
私はただ一度のデザイン事務所を除いて印刷会社、印刷業会に勤めている。ウェブサイトは必要なかったといえばその通りである。なぜ私はこのウェブサイトに執着したり、距離を置いたりと関係性を持ち続けたのだろうか。そこには本能のようなものが働いていたのかもしれない。あるいは私は結局、何かを誰かに発信することがしたかったのかもしれない。その辺りはまだよくわかっていない。 わかる日は来ないだろう。
改めてウェブサイトを修正してやることはまだまだあるんだということを実感する。まだまだユーザーのことをわかっていない。ユーザーの行動、ユーザーの導線をわかっていない。
10年目にしてこのウェブサイトが、ようやく動き出した。