メアリー・カサット展の感想 「好きな絵が多かった」
逗子海岸で会社の人と遊んだあと、わたしはひっそり横浜美術館へ。メアリー・カサット展のポスターを偶然電車で見てしまって、そうなったら行こうとなりました。
あったかい感じがした。
女流画家とか、印象派とか、そういう画家の情報はあとにして、正直自分はちょっと知らない画家だったので、そういう情報よりも絵を見たいなあと思い、あまり知らずに見た感想としては、あったかい感じがしました。《桟敷席にて》では婦人は舞台を見てますが、その奥に婦人を見てる人がいるっていう構図。婦人は綺麗に描かれていて婦人を見ている人を含め背景は雑に描かれています。婦人にフォーカスされているってことでしょうかね。
モテる女性ってのはいいですよね。まさにこの絵はそういう感じがします。メアリー・カサットは子供とか母と子の題材の絵が続きます。《眠たい子どもを沐浴させる母親》は母の顔が子供に向いている、そんな情景あふれる絵です。多分愛溢れるこの瞬間を見ているから、自然とあったかいって感じるんだと思います。色使いとして結構青が基調となっていますが、青と肌色(薄いピンク)は配色としてはとてもマッチしています。綺麗ですよね。
やわらかな色彩と、その眼差し
日常の情景をもっとリアルに描こうってなると、母親はやっぱり子供を見てるんだなあって改めて気づかされます。子供だってこっちは見ていない。でもその情景を見てるだけでいいなあって思う。メアリーさんもそう思って描いていたのでしょうか。
男からするとね、こういうたくましい母親(美しい)も好きだなあと感じて、絵の配色も母や子が赤に近いピンク系で、背景が補色の緑系で調和が取れてる。まあでも配色とかよりも母と子の距離。子供が果物を取るのを手伝ってあげる母親。その距離。それがやっぱりあったかいんだろうなあと。知識、いわゆるリンゴ=知識みたいな−は要りませんよね。そうじゃなくて愛なんでしょうね。
ちょっと海のあとだから疲れてよくわからなかったっていうのもあるんだけど、好きな絵が多かった展覧会でした。