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【連載 europaからの手紙2】油彩画とアクリル画は全然違う

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前回から不定期に連載が始まることになった「europaからの手紙」。今日は私が普段やっている絵の制作について話そうと思う。

私が主にやっているのは油絵とアクリル絵の制作だ。どちらも画材が異なるだけで、描いているモデルはただ一人である。それ以外の題材は選んだことはない。モデルはかつて私にぶつかったことのある女性であり、実在する。ただ名前も出身も知らないが。モデルを直接見て描いているわけではない。すべて頭の中の想像と、絵を描きながらの修正などで頑張ってやっている。今の所彼女以外の題材で絵を描きたいと思ったことはない。そもそも絵を描き始めたきっかけが彼女、エウロピを描きたいがために始まったからである。

油彩画とアクリル画は全然違う。まさに水と油だ。

クレヨンやボールペンで絵を描いているだけでは想像がつかないかもしれないが、油絵とアクリルというのは顔料を油や水で溶いてキャンバスや紙に付着させて絵を描いて行く。水彩画を想像してもらえると一番わかりやすいように、それが油になっただけだと思う。油だから水とは違って、乾燥するのに時間がかかる。正確には乾燥というより酸化である。油と酸素が化学反応を起こして顔料ごと固まることによって、強い画面を作ることができる。その硬さはプラスチック並みとも言われている。一方のアクリルは、アクリルゴムと顔料を混ぜた画材であり、中に含まれる水分が蒸発すると、アクリルが固まるという仕組みになっている。一度固まったら水などで戻すことはできない。こちらも硬さはプラスチック並みにあると言われている。

油絵はゆっくり固まるので、違う色を組み合わせてグラデーションを作ったりすることができる。一方アクリルは水分が蒸発するわずかな時間で固まることができるので、非常に早期に作品を仕上げることが可能になる。アクリルはそうした意味で夢の画材と言われてもいいだろう。

私は実際両者を試してみて、色でいえば油絵、早さでいえばアクリルだなと思っている。どちらも利点があり欠点がある。

それでも油絵を描いている人は依然として多いのだ。

最近の若手向けの公募展などでも油絵の作品が多い。公募展では100号クラスの大作が多い。画材代なども考えるとアクリルの方が安そうに見えるが、案外アクリルは容量の割に中の水分を蒸発することで乾燥させるため、多くの量のアクリル絵の具を使う必要があり、意外と出費になったりする。

エウロピはロシア系の女性だろうと思う

エウロピの顔は定まっているわけではないが、スラブ系だと言われたことがある。なるほどそうかとも思う反面、自分でも何人なのかはよくわからない。目の色だけが人種を決めるということはない。目の大きさ、目の幅など、人種間の違いは色々ある。その中でもやはり東欧というか、ロシア、ポーランド系の女性なのだろうと思っている。私にぶつかった女性もそうであったから。私はたまに絵を描いているときに我に帰り、「ああ、エウロピとは一体誰なんだろうか」と思うことがたまにあったりする。エウロピを知る数少ない人にエウロピについて説明するのは困難だ。私自身も大して知らないし、それを説明するのはもっと困難だからだ。

現代アートの業界では、自分の絵を正しくプレゼンすることが最も求められる能力だと言われている。従ってプレゼン力、コミュニケーション力、何より英語力が求められることが必須であり、欧米のいわゆるロビー活動のようなものも必要になっていくのであろう。脈々と続く西洋絵画の歴史からいまがあり、その脈絡の中に自分の作品も位置しているということを正しく説明する必要があるというのだ。もちろん作品が難解になっている、意味不明になっているという現実からも、作家に求められる能力となったのだろうか。私の絵は現代アートなどとは程遠い、市井の人間の趣味だからそのような説明はしないし、そもそも絵は説明不要な存在なのではないのかと、度々考えている。見るだけで美しい、見るだけで語りかけてくる、絵とはそんな存在なのではないのかと思ったりしている。ただそこに女性が立っているだけの絵なのだから。

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