ロマンティックロシア展に行ってきた。
私はロシア好きだけど、ロシア出身の画家はシャガールや抽象主義の画家といったところだ。
ところで忘れ得ぬ女性は今回の目玉だが、やはり存在感は一番だったように思う。他にもロシアの四季を描いた作品もあったが、彼女以上の注目は集められなかったように思える。
しかし美術館のコンセプトなのか、非常にロシアが写実主義に傾倒した時代の作家が多いのかわからないが、作品もそのように写実主義がほとんどである。
このため見応えも非常に強く、近年の印象主義が席巻する美術館業界に一石を投じた可能性はある。
ロシアの四季
例えばロシアの短い夏に画家は外に出て、夏の青い空や入道雲に感化されたりするんだろうか。ちょうど日本人が真夏の7月ごろの入道雲を憧れるように、ロシアの画家も入道雲をこれほどにないほど写実的に描いている。今回は2作そのような作品を見たが、短い夏を楽しんでいるようである。ちょうど日本と同じように。
秋の美しさは春の草原も描きながらも、ロシア人に取って一番長くて過酷な冬を描くことは少なかった。例え貴族の楽しみであった絵画制作も、冬の寒さの中では楽しめないのかもしれない。
ロシアの画家の色とは
細かな描写はロシア人の勤勉さやチャレンジ精神という向きもあるが、これは時代が写実主義だったからだろうと思われる。ロシアはフランスをはじめとするヨーロッパに憧れ、絵も当時最先端だった印象主義ではなく、ヨーロッパでは主に王道だった写実主義が今回の展覧会でもメインになっている。
ただロシアを感じさせるのは色である。 白い雪のかにもたくさんの色がある。寒さ、冷たさを感じさせる色がある。金色の秋を感じる色がある。草原の緑や夏の空の青がある。そんなロシアの色を感じながらこの展覧会を見終えた。
なかなか面白い展覧会だった。
私はロシアが好きなので、チェブラーシュカは買ってしまうのだ。